近年の吹奏楽人気の影響で、リペアラーの需要は増えています。それに伴い、修理工房も増え身近なものとなり、奏者=お客様がリペアラーを選択できる時代になりました。お客様がリペアラーを選ぶ基準は何でしょう。修理技術や楽器の知識はもちろんのこと、“人柄”が大きく影響するのではないでしょうか。お客様を知る姿勢をはじめ、それぞれの要望に応えることで信頼を築き、選ばれる“人”になるのです。
管楽器リペア科に所属する生徒は楽器経験者も多く、「楽器が壊れた時に目の前で修理してもらって感動し、私もそんな仕事がしたい。」といった生徒が多いのですが、「演奏者として仕事がしたいが現実問題として難しい。」そこで、「管楽器修理技術を習得すれば一生涯楽器に携わる仕事が出来る。」と、管楽器リペアラーを目指す生徒も少なくありません。
1・2年生では管楽器の基礎知識に加え、できるだけ多くの時間楽器に触れ修理技術の基礎となる部分を徹底して学びます。
3年生では基礎的な修理技術や知識の向上はもちろんのこと、さらに一歩踏み込んだ修理技術、検品・見積り方法等実践に向けての授業、地方の楽器店で求められる打楽器や教育楽器(鍵盤ハーモニカなど)の構造・修理を学びながら自身の進路に向けて個別の課題を設定し取り組んでもらいます。
オープンシラバス制度でアンサンブル・吹奏楽などの演奏系の授業を受けることができるのに加え、個人レッスンや、宮城県加美町の猪股町長が旗揚げし、2014年に結成された市民オーケストラ「バッハホール管弦楽団」に参加出来ることも宮城キャンパスの特徴です。
これらの活動を通じ、様々な楽器の特性や演奏上で求められることを知る事ができます。
リペアラーに必要なものは、楽器の知識や修理技術だけでしょうか?
お客様=奏者が何を求めているのか考え、解決する方法を提示しなければなりません。
自分が考えるベストな修理ができればいいのですが、予算の関係などもありそれを押し付けることはできません。
お客様と対話し、納得していただける解決策を探す必要があります。
実際の仕事では小・中学校に出かけることも多く、演奏している子供たちは楽器の事は全く知らないのが普通で、「変な音がする」「音が鳴らない」「ここが固い」などの少ない情報から始まり、「いつからそうなったのか?」「ぶつけたりしてない?」など対話することで少しでも多くの情報を得て原因を探り、解決策を見つけるのです。トラブルを未然に防ぐためのメンテナンス方法をわかりやすく教えてあげる必要もあるでしょう。
このように相手のことを考える「コミュニケーション能力」が必要なのです。
修理技術や知識はもちろん、自身の演奏経験からも奏者の悩みや求めていることをより近い観点から考え、アドバイス・解決していくことも愛され信頼されるリペアラーの条件のひとつではないでしょうか。
分類 | 学科目名 | 学科概要 | |
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必須 | 実技 | > 実技レッスン一覧から選択してください | ワンツーワン方式で行う楽器の実技レッスン 受講生の目的に適した指導講師が各自のレベルや志向に合わせて指導します。 将来の資格取得や目標を見据えた楽器を履修してください。 |
科目 | 管楽器リペア実習 | 管楽器リペア技術の修得。実技重視の少人数制指導。 | |
選択 | 科目 | オープンシラバス - 自分が好きで学びたいことを全授業の中から選択 > オープンシラバスの詳細 |
修理後、楽器の調整のため試奏を行うことがありますので、音階程度は吹けた方が良いでしょう。その際、管楽器の演奏経験が少ない方でも個々のレベルに応じた「実技レッスン」を受けることができます。新しい楽器の演奏にチャレンジする良い機会かもしれません。